学生時代から新感線のファンなので、『IZO』からずっと「兄貴、俺でいいんですか?」と恐縮しつつ、毎度ご期待に応えられるよう頑張っております。いのうえさんのオーダーはいつも「それをまさに今書いてみたかった」という感じなので、プレッシャーよりやる気が上回るところに、ただただ感謝しております。
「『雨月物語』みたいな、御伽噺みたいのをやりたい」というオーダーを頂戴しました。「鬼退治でどうですか?」とお答えしたら、「いいねぇ」とご返答いただけて、大変に嬉しかったです。
4、5年前に『あのよこのよ』という作品の着想を始めた頃、『酒呑童子』をベースにした鬼退治の話を書きたかったのですが、その頃『鬼滅の刃』がヒットしていて、ちょっと鬼退治を書くのに気が引けてしまい…今回ようやくチャレンジできて嬉しいです。
陰惨な中にも美しさと愛のある作品になると思います。多くのお客様に気に入っていただけたら嬉しいです。ご期待ください。
(あおき・ごう) 1997年に「劇団グリング」を旗揚げし、2014年の解散まで全18公演の作・演出を務める。2009年に脚本を手がけたHTBスペシャルドラマ『ミエルヒ』で第47回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、10年NHK-FMシアター『リバイバル』でABU賞受賞。11年の『往転-オウテン』の演出で第66回文化庁芸術祭新人賞を受賞している。近年では、2017年に『極付印度伝マハーバーラタ戦記』で歌舞伎に脚本を書き下ろし(23年11月に再演)、2018年には劇団四季の新作海外ストレートプレイ『恋におちたシェイクスピア』の演出や、オリジナルミュージカル『バケモノの子』(22〜24年)の演出を担当し注目を集める。近年の主な舞台作品に、『応天の門』(演出・24)、『あのよこのよ』(作/演出・24)、『銀河鉄道の父』(演出・23)、音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』(演出・23)、『ダブル』(脚本・23)、『ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~』(脚本・23)など。