一ノ瀬颯
コメント

一ノ瀬 颯

――劇団☆新感線にはこれが初出演となりますが、一ノ瀬さんはいのうえさんのワークショップに参加された経験があるそうですね。

そうなんです、これはまたとない機会だと思って参加させていただき、数日かけていのうえさんからいろいろなことを教わりました。そのあと、今回の出演が決まったのですごく嬉しかったです。僕はこれが初舞台になるので、緊張と不安と期待とが入り混じっている状態なのですが、これだけ多くの人に愛される劇団☆新感線の作品に出演させていただけることは自分としても大変光栄です。これまでずっと映像作品に出てきましたがいつか舞台をやりたいという気持ちは抱いていました。その初めてが新感線で叶うなんて本当にありがたいことなので、一生懸命頑張りたいです。

――いつか舞台をやりたいと思われていたのは、どうしてですか?

共演したりご縁のある方が出ている舞台を観に行く機会がよくあるのですが、映像のお仕事をしている方でも普段は劇団で活動をされている方も多く、舞台経験の多い方とお話しさせていただくと、皆さんお芝居に対しての熱量がすごく高いんです。自分もお芝居には熱いものを持っているつもりなので、舞台の現場に身を置けたらすごく刺激を受けられそうだと思ったんです。デビューしてからの6年間は映像がメインだったので、ここで少し違う切り口でお芝居と向き合うことができたら、もっとステップアップできるかもしれませんし。ちなみに僕の場合はデビュー作が戦隊ものだったんですが“ヒーローショー”に出る機会もあったので、そこではお客様を目の前にしてお芝居をさせていただいていて。その時はカメラを前にお芝居した時とはまた少し違う達成感や高揚感、充実感があったので、あのやりがいをまた経験したいという気持ちもありました。

――今回の『紅鬼物語』は“いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective”と銘打った公演になりますが、テーマは昔話やお伽噺で鬼が出てくる物語になりそうだと聞いた時は、どう思われましたか。

「あー、鬼か!」って思いました(笑)。意外と鬼という存在自体は、たぶん誰もが小さい頃に触れるものでもありますよね。だからまったく新しいものというよりも、なんとなく馴染みがあるような感覚が自分の中にあって。そういう意味では、観る側も多くの人が世界観に入っていきやすくなるかもしれないなとも思いました。

――以前、戦隊ものに出られていたとなれば、アクションや殺陣の場面も期待してしまいますが。

そうですね、やらせていただけたら嬉しいな!と、僕も思います(笑)。戦隊ものに出演している時もアクションは何回かやらせてもらいましたし、その繋がりで仲良くなったスーツアクターの方々とたまに一緒に練習していて。時代劇に出演した時には殺陣も経験したので、今回はより深掘りできたらと思っているんです。身体を動かすことは昔から好きでしたし、アクションも殺陣も本格的に挑戦したいと思っているので、稽古が始まるのが今から待ち遠しいです。周りの誰もが「友貴さんの殺陣が素晴らしい」とおっしゃるので、この共演がすごくいい経験になりそうでさらにワクワク感が増しています。特に今回は舞台にしっかりと根を張って活動されていらっしゃる大先輩方ばかりなので、皆さんから多くのことを学べる予感しかありません。本当に、どうかよろしくお願いします!という気持ちでいっぱいです。

――映像で、時代劇を既に経験されていることも大きいですね。

少しは着物を着ることにも慣れてきていたので、経験がゼロではないという点では良かったなと思っています。『十一人の賊軍』では銃を使うことがメインでしたが、『仕掛人・藤枝梅安』では佐藤浩市さんとバディを組んでいる殺し屋の役で。あの時は二刀流でちょっと変則的な殺陣でした。今回はどういうものになるでしょうね。とにかくまだまだ自分は無知だし未知なので(笑)、ひたすらがむしゃらに皆さんに食らいついていきたいです!

――新感線の舞台では欠かせない、“笑い”ということに関してはどうですか?

僕、実はふざけることが好きな人なんです。ドラマと違って多少の自由が許されるバラエティ番組に出る時には、ついカメラマンさんや周りの人たちに向けてふざけたことを言ったりやったりしてしまって。それで笑ってもらえると、めちゃめちゃ嬉しくなっちゃうタイプなんです。なので、笑いの要素が強くてアクションも求められる新感線の作品は、自分の“好き”がめいっぱい詰まってる舞台だという気がしています。

――では、お客様に向けてお誘いのメッセージをいただけますか。

初舞台ということで、皆さんにナマのお芝居をお届けできる機会ですので、ぜひ見届けに来てほしいです。よく舞台を観られている方も、普段は舞台を観慣れていない方や敷居が高いと思っているような方も、劇団☆新感線の公演はすべからくどんな人でも楽しめるものをお届けしているので、その点は今回も間違いなしです!ぜひ、劇場に足を運んでいただけたらと思います。