喜矢武豊
コメント

喜矢武 豊

――喜矢武さんが劇団☆新感線をご覧になるようになった、きっかけはなんだったんですか。

僕が初めて主演した映画の監督が、新感線のことを好きでDVDをくださって。それを観たのが最初だったと思います。それまではまったく知らなかったので「こんなに面白い舞台があるのか!」とビックリしたし、感動したし。そこからもうトリコでした(笑)。そして自分も舞台に出るようになってからは「俺も出てみたい!」と言ったりしていましたけど、まあ無理だろうなと思ってもいました。

――では今回、出演のお話が来た時はどう思われましたか?

「マジか!」って感じでした。「俺でいいんですか? 大丈夫かな?」という気持ちもありましたけど……、いや、でもやっぱり「マジか!!」って(笑)。だけど、せっかくなら全力でやるしかないですからね。今はものすごく楽しみです。

――共演陣の顔ぶれを聞いて、いかがでしたか。

まずはやっぱり(早乙女)友貴がいたので、ね。僕は(早乙女)太一と『SHIRANAMI』(2019)という舞台で初共演したあと仲良くなって、劇団朱雀にも早乙女兄弟と一緒に出させてもらっているんですけど、初めての新感線で友貴がいるのは、俺にとって良かった……のかなあ?とも思います。

――いてくれたほうが、心強いのでは?

どちらの捉え方もありますよね。もちろん、いてくれてすごくありがたいなという気持ちはありますし、だけど武者修行的な感覚では、誰も知らない中に飛び込むほうが気持ちは引き締まるんじゃないかとも思えて。ま、友貴は「いや~、喜矢武さん、俺がいて良かったですね」なんて言ってましたけど(笑)。

――いのうえさんや劇団員たちとの間を繋いでくれそうじゃないですか。

確かに、稽古場の空気感とかもまだ全然わからないので、そういう意味ではやっぱり心強いですけど。でももしかしたら友貴と戦ったりするのかな?と考えると「大丈夫かな、俺が早乙女友貴倒せんの?」なんて思ったりして。

――急に不安になってきた?

今、急にちょっと不安が勝ってきました(笑)。実際は倒せないと思いますけどね。僕が見る限り、早乙女友貴は毎回パワーアップしてるから、俺にはとても無理だろうな。だからちょっと、山ごもりしてきますわ。滝にでも打たれながら刀を振っておきます。

――本格的にお芝居で刀を振るのは、今回が初めてになるんですね。

だから楽しみなんですが、もちろんプレッシャーもあります。友貴が手加減してくれたとしても、きっと新感線のお客さんにはバレちゃいそうですよね、「友貴、今回やたら手加減してない?」って。だから俺、せめて友貴の6割くらいまでは殺陣ができるようにもっていかないと、と思っているんです。

――目指せ、6割ですか?(笑)

いや、6割じゃ、手加減されてるとバレちゃうか。じゃ、6.5割くらいまでがんばります。

――(笑)。改めて、新感線の舞台のどういうところに魅力を感じたんでしょうか。

いろいろありますけど、やっぱりテンポ感がすごいところですね。どんどん場面転換して、台詞も掛け合いが早くて上演時間は長いですけど、まったく飽きない。サクッと終わっちゃう感覚がある。

――ということは、いのうえさんの演出が気に入っているということですね。

そういうことです。殺陣はもちろんですけど、音楽の使い方も常にドキドキさせられて「うおーっ!」って興奮状態にさせてくれますからね。

――その中に、今回は喜矢武さんも入れるわけで。

入っちゃうんですよね、すごいことです。サクセスですね!

――ある意味、ちょっと夢叶った感覚も?

いや本当に、その通りです。僕らゴールデンボンバーが事務所に入ったばかりの頃、最初についてくれたマネージャーには「新感線に出たいな」ってよく言っていたので、今回の出演が決まった時に久々にLINEが来ましたもん。「胸熱!」って(笑)。

――今回ご自分の中で、何か目標や成し遂げたいことなどはありますか。

まずはやっぱり、早乙女友貴をボコボコにしてみたい、ということ。

――それもまた夢のひとつだったり(笑)。

そうですね。それが叶ったら、次はなかなか大変だと思いますけど、ゆくゆくは『髑髏城の七人』に出たいです!! あとは、いのうえさんの演出を受けるのが初めてなので。厳しいという話は聞いていますけど、せっかく出るからにはしごいてもらいたくて。そこが一番の楽しみかもしれません、ただし僕の心が折れない限り、ですけど。でもきっと、自分にとってはすごく勉強になると思いますし、僕もここでぜひパワーアップできたらという気持ちがとても強くあるんです。

――では、観に来てくださるお客様に向けてお誘いのメッセージをいただけますか。

奇跡的に今回、僕が好きな劇団☆新感線に呼んでいただけました。せっかくなので、やれる限りは精一杯頑張ります。新感線に参加している喜矢武豊の勇姿が見られるのは今回しかないかもしれないですし、新感線の舞台そのものも当然面白いですから、ぜひ劇場でご覧いただきたいです!!