実は私、新感線さんの舞台は以前から何度か観劇させていただいているんです。10代の頃には劇場窓口で当日券を買って入っていたこともあるんですよ。
初めて観たのは、(宝塚)歌劇の、同じ組の同期の子に誘ってもらって観た『髑髏城の七人』(2011)でした。その時は「なんだ、この世界は!?」ってものすごく衝撃を受けて、次の日までずっと感動が残っていましたね。『髑髏城の七人』もいろいろなバージョンを拝見していますが、本当に面白いですよね。私、この役もあの役もやってみたいと頭の中で一人で妄想してしまいます(笑)。捨之介も天魔王も沙霧も極楽太夫も蘭兵衛も。
ギリギリで入れたので、はじっこの見切れ席でした。ですから今回は、その大好きな劇団☆新感線さんの舞台に自分が主演として立てるなんて!と、とても興奮しています。
驚くと同時に、すごく喜んでくれています。歌劇の方たちやこれまでの共演者の皆さんだけでなく、私の兄弟たちもみんな新感線が大好きなので、それは驚いています! 多くの皆さまが必ず観に来てくださると思います!
楽しい撮影でした。これまで赤一色のお衣裳を着る機会は多々ありましたが、今回は特に和の世界の色のパワーを感じながら、カメラの前でどう表現していくか考えることも面白かったですし。今日の時点では、まだ細かいシチュエーションはわからない状態だったので、今いただいている資料とイメージから湧き出るインスピレーションで役づくりをしたんですけれど、とても刺激的な撮影現場でした。
お伽噺は物心ついた時に初めて触れる物語で馴染み深いですよね。その中でもよく登場する“鬼”という存在には、私も俳優として心惹かれる部分が強くあるんです。私たち人間とは違う生きものかというと、そうでもないかもしれなくて。その時代の人々の暮らしにあったものや、ただ私たちが目を向けていないだけで現代を生きる私たちの中にもある普遍的なものが“鬼”に繋がるのかもしれませんからね。その点からも、とても心を引っ張られるテーマだと思っています。しかも“鬼”って、日本ならではの存在でもあって。日本人が暮らしていく中での“鬼”の存在は、時代時代ですごく大きかったはずで、それを作り出した人間の心こそが、劇や物語になったようにも思います。“鬼”の存在自体が、とても興味深いです。
とにかく歌劇を卒業し、男役というものを脱ぎ捨てての初めての作品になりますので、たぶん自分が今まで出会ったことのない何かが産声を上げるような、新しいものに出会えそうだと思っています。そういう、まだ自分が知らない自分と一体化しつつ、今回演じる役柄をどうやって作っていくかが、まずは一番のテーマ。あと男役は脱ぎ捨てますが、男役をやっていたからこそできるものもありますので、そういう面も活かしながらどう表現ができるかということも、自分としては意識していたいと思っています。
はい! それはもう何でも!
全然大丈夫です、何でもします!!
暴れ回るのは好きです(笑)。だけど立ち回りの技術があるとか、そういうわけではないので、その場合はもちろんいっぱい練習して修行しなきゃいけなくなりますけど。今回はキャラクター的に、そうやって走り回ることはないのかもしれませんが、でも、今回のキャストの皆さんはすごい方ばかりですからね。しかも私、男性の方とアクションすることになったらそれも初めてのことなので。本当に初めてのことが多いので、今回はいろいろなことを学ばせていただきつつ、自分でもステップアップしていきたいと思っているんです。今は楽しみな思いと共に、気合で満ち満ちています!
お客様には、私が今回演じる役柄にいかに共感をしていただけるか、がすごく大事だなと思っているんです。悩みとか悲しみ、愛、苦しみ、安らぎ、情けなどといった感情を、今を生きる私たちの中にあるものとどうやって繋ぎ、どうやってお客様に共感していただくか。皆さんに大切に思っていただける作品や役になるようにお届けしたいと思っていますので、是非ご期待くださいまして、劇場でお待ちしています!