大学在学中の1983年に関西の人気劇団に入団し、俳優だけでなく、劇作家、演出家としても活動。 オリジナリティーあふれる多くの作品を世に送り出している。2001年退団後は舞台だけではなく次々と活動の場を拡げ、『トリック』『ごくせん』『リーガイ•ハイ』シリーズ等でひときわ異彩を放つ存在感を見せつけ、数々のテレビドラマ、映画、CMなどで幅広い活躍を続けている。近年の主な出演作品は、【舞台】『獣道一直線』(20)、『グッドバイ』(20)、【映画】『あなたの番です 劇場版』(21)、『天外者』(20)、『コンフィデンスマンJP』(22、20)、『マスカレード・ホテル』(19)、【ドラマ】『未来への10カウント』(EX・22)、『必殺仕事人2022』(EX・22)、『ダマせない男』(NTV・22)、『アンラッキーガール』(NTV・21)、『漂着者』(EX・21)、『着飾る恋には理由がって』(TBS・21)、『コタローは1人暮らし』(EX・21)、『知ってるワイフ』(CX・21)など。劇団☆新感線には本作が2度目の参加となる。

生瀬勝久
コメント

――劇団☆新感線には『髑髏城の七人』Season風以来、二度目の参加ですね。

そうですね。やはり劇団☆新感線といえば日本を代表するエンターテインメント集団ですから、そこに参加させていただけることは光栄ですし、僕もいのうえさんのことが好きですし。こうして自分が元気なうち、身体が動くうちに再び呼んでいただけたことはありがたいなと思っています。

――『薔薇とサムライ』の前作のことは……。

まったく知りませんでした(笑)。『薔薇サム2』に出ると言ったら、周りの人からの反響がとても大きかったので、「おお、そうなのか、そんなに面白かったのね」って思ったくらいです。

――前作をDVDでご覧になったりは。

観るつもりはないです(笑)。だって観たら、いろいろなことを意識したりするようになりますから。そもそも僕、映画やテレビドラマに出る時も、原作をまったく参考にしないんです。それを作る現場の方向性だけを、純粋に追いかけたいので。『薔薇サム2』の台本も、目は通しましたけどなんとなく自分の役どころのイメージをつかんだだけです。でも、それだってきっと作家さんの意図するところと、文面から入ってくるものは違うと思うので。稽古で声を出して、相手の方と一緒に演じることで皮膚感覚として気持ちを作ろうかな、と。今の段階で読んでも、それだけでは何もわからないですよ。稽古に入って、絵づくりができて、本番をやって、最終的にDVDになって初めて作品の本質がわかる。だって自分が出てるところは、自分で観られないですからね。

――前回初めて新感線の舞台に立って、思い出深かったことというと。

お客さんたちがみなさん、本当に心から楽しみに観に来ていただいていて、そしてしっかり楽しんで帰ってくれていることが伝わってくるんです。それが毎日続くというのは、やはり役者冥利に尽きます。舞台人として、こんなに幸せなことはないだろうなという経験をさせてもらいました。自分がどう演じるとか、自分のキャリアの中でどういう位置になるとか、そんなことはたいしたことではないんです。ただ『髑髏城~』に向けて少し自分の身体を作り直したということもあり、長期公演でも最後までやり通せたということは自信にもなりましたね。僕自身は舞台上でそれほど激しく動くことはなかったのですが、周りの若い俳優たち、特に走り回る人たちにとっては、とても過酷な舞台だったと思います。それとあの時は、ふだんだったら会う機会がなかなかないようなアンサンブルの子たちとご一緒出来たことも楽しかった。かつての自分がそうだったように、夢を持ったアクションの子やダンサーの子たちが大勢いて、彼らを僕は基本的に応援したい。ですから今回も、若い方たちとご一緒できるのは楽しみのひとつです。僕はもともと酒を飲まないので、交流はもっぱら稽古場でストレッチする時にいろいろと話をするくらいですが。でも、彼らのお手本にならなければとも思うので、現場にどういう風に居るのかということを自分は見せなきゃいけないんだろうな、とも思っています。

――そして、古田さんと新感線で共演するのは今回が初めてですね。

さまざまな現場で一緒にやってきましたが今回は彼の地元、家でやるようなものなので、それって向こうのほうが意識するんじゃないかな。僕はゲストとして丁重に扱ってもらえるんじゃないかと思うんですけど、彼にとっては親戚のおじさんが来て、一生懸命やってるところを見られると妙に照れ臭かったりとか……いや、僕だったらそう思うけど、彼はあまりそんなことは気にしないかもしれないか。

――天海さんと共演することについてはいかがですか。

映像では何度も共演させていただいていますが、舞台では初めてですね。でも、なんだか知らないけどすごく親しい感じがする人なんですよ。一緒にごはんを食べに行ったわけでもないのに、こんなに親しい感じがするのはなんでだろう。メールでお互いに励ましたり、励まされたりして、いろいろな話をしてきたからかな。とても律儀な人で、舞台を観に行って楽屋でご挨拶とかすると、「今日は観に来ていただいて、どうもありがとうございました」ってあとで丁寧なメールをいただくので、僕も感想を書いて送ったりしているんです。舞台でご一緒するとなるとどんな感じになるのかも、楽しみですね。

――では最後に、お客様へメッセージをお願いします。

僕は二回目の新感線で、そんなにお馴染みというわけでもないからちょっと目新しいですよ、ということと。そして今、僕はとても脂がのってるからね、食べごろかもしれない、年齢的にも旬かもしれない(笑)。身体が昔ほど動かなくなった分、表現をなんとかしなきゃいけないということが自分でわかっているので。だから身体のキレで見せる俳優とはまた違う何かを、ぜひお見せしたいなと思いますね。

Profile大学在学中の1983年に関西の人気劇団に入団し、俳優だけでなく、劇作家、演出家としても活動。 オリジナリティーあふれる多くの作品を世に送り出している。2001年退団後は舞台だけではなく次々と活動の場を拡げ、『トリック』『ごくせん』『リーガイ•ハイ』シリーズ等でひときわ異彩を放つ存在感を見せつけ、数々のテレビドラマ、映画、CMなどで幅広い活躍を続けている。近年の主な出演作品は、【舞台】『獣道一直線』(20)、『グッドバイ』(20)、【映画】『あなたの番です 劇場版』(21)、『天外者』(20)、『コンフィデンスマンJP』(22、20)、『マスカレード・ホテル』(19)、【ドラマ】『未来への10カウント』(EX・22)、『必殺仕事人2022』(EX・22)、『ダマせない男』(NTV・22)、『アンラッキーガール』(NTV・21)、『漂着者』(EX・21)、『着飾る恋には理由がって』(TBS・21)、『コタローは1人暮らし』(EX・21)、『知ってるワイフ』(CX・21)など。劇団☆新感線には本作が2度目の参加となる。