作品紹介

新感線がシェイクスピアに向き合う=Shinkansen faces Shakespeare!新感線版・和製『オセロー』が12年ぶりに再び上演!新感線がシェイクスピアに向き合う=Shinkansen faces Shakespeare!新感線版・和製『オセロー』が12年ぶりに再び上演!

2011年に劇団☆新感線としては異色の、“いのうえ歌舞伎”でもなく、“ネタモノ”でもなく、“Rシリーズ”でもない、シェイクスピアの『オセロー』を翻案した青木 豪書き下ろしの『港町純情オセロ』を上演いたしました。
部下イアーゴの計略によって破滅へと突き動かされる軍人オセロと妻デズデモーナを描いたシェイクスピアの四大悲劇の一つ『オセロー』。人間の本質となる喜怒哀楽を綴ったこの物語が、人間の業を暴き晒し出すセリフの魔術師・青木によって、戦前・戦中の港町を舞台に、混沌とした時代に生きるチンピラヤクザたちの人情悲喜劇に大胆に翻案され、演出のいのうえひでのりによるダイナミックな演出で新たな産声を上げたのです。和製『オセロー』は、より深く感情ほとばしる作品として、観客の心を強く揺さぶりました。
そして2023年、『ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜』として12年ぶりに甦ります。物語の舞台を戦前・戦中から、戦後のアメリカ文化が流れ込んできたポップな時代に改めて書き直し、当時を彷彿させる歌謡曲の要素を取り込みながら装いを新たに上演いたします。
常に新作を発表している新感線として、数少ない再演作品となる本作。悲劇ではあれど、新感線ならではの、歌って・踊って・笑える要素も盛りだくさん、とっつきにくいなんて言わせない!令和版・新感線製シェイクスピア『ミナト町純情オセロ』が、2023年の春に登場します!

オセロを演じるのは、新感線初参加となる三宅健! 同じく新感線初参加となるフレッシュな顔ぶれ松井玲奈、寺西拓人と劇団員で創り上げる人間ドラマオセロを演じるのは、新感線初参加となる三宅健! 同じく新感線初参加となるフレッシュな顔ぶれ松井玲奈、寺西拓人と劇団員で創り上げる人間ドラマ

本作の上演にあたり、劇団☆新感線初参加となる豪華なキャストが結集しました。
オセロを演じるのは、ドラマや映画など映像作品はもちろん、数多くの舞台に出演、近年は朗読劇への初挑戦や、初のソロコンサートなど様々なことに挑み続ける三宅 健。今作では、初演で劇団員の橋本じゅん演じた泥臭いヤクザの組長を、一本気で純情な、血気溢れるヤクザ者として演じます。
オセロの美しい妻・モナには、ドラマ・映画・舞台で役者として幅広い作品に出演し、作家としても活躍する松井玲奈。知らず知らずのうちにオセロを追い詰める悪計に加担する事になるオセロの部下・汐見丈に、舞台を中心にミュージカルからストレートプレイに数多く出演する寺西拓人
そして劇団員からは、モナに横恋慕する市議会議員の三ノ宮一郎に粟根まこと。初演では田中哲司が演じた言葉巧みに人を操りオセロを奈落の底へと突き落とすべく追い込む役柄を、今回は設定をアレンジし、先代組長の未亡人アイ子として、看板女優・高田聖子が演じます。フレッシュな面々を支えるふたりの役どころもご期待ください。

あらすじ

あの戦争が終わって10年――

復興とともに新たな混沌が生まれつつあった1950年代の日本。シノギの世界でも血で血を洗う争いの末、新たな勢力がのし上がりつつあった!
その中の一つが、関西の港町・神部をシマに戦後の混乱の中で勢力を拡大した沙鷗組である! その中心にはブラジルの血を引く若頭筆頭、亜牟蘭オセロ(三宅健)がいた。
図抜けた腕っぷしと度胸を武器に、若頭補佐の汐見丈(寺西拓人)とシマを広げてきたオセロ。しかし、四国の新興ヤクザ観音組に組長を射殺された現場で、オセロはその場に居合わせた町医者・村板の娘、モナ(松井玲奈)に惚れ、組を抜けてカタギになることを決意。
これが「オセロを二代目組長に」と考えていた、先代組長の未亡人アイ子(高田聖子)の恨みを買う! アイ子はモナに横恋慕する市議会議員の三ノ宮一郎(粟根まこと)も利用して、裏切り者オセロを地獄に突き落とすと心に決める・・・。
襲名辞退を知った沙鷗組の上部組織・赤穂組は、四国から船で来襲する観音組を倒すことを条件にオセロの足抜けを認める。そこでオセロは瀬戸内の漁師を束ねる顔役に力を借りて、観音組を海上で迎撃! 作戦は見事に的中して観音組は壊滅に追い込まれた!
だが、アイ子の奸計によって、オセロは次第に友や恋人に対する嫉妬、そして不信の心を掻き立てられていく。その渦は周囲の人々を巻き込み、逃れることのできない悲劇へ誘うのだった――


出演者紹介