久保史緒里

久保史緒里コメント
久保史緒里

――劇団☆新感線の舞台には初参加ですね。ヴィジュアル撮影を終えて、ご感想はいかがですか。

新感線さんのパンフレットはいつも大きくて写真がすごくカッコイイと思っていたんですが、あの迫力をまさか自分が体験できる日が来るとは思っていなかったのでドキドキしながらの撮影でした。細部までこだわりを持ってくださるスタッフの方々の中での撮影で、ああ、だからいつも新感線さんのチラシやパンフレットはあんなにも素敵なんだ!とわかりました。そして、これから自分も作品をご一緒させていただくんだという実感が少し湧いてきました。

――そもそも新感線に出演が決まった時は、まずどう思われましたか。

本当に驚きました。これまで何度も新感線さんの舞台を観に行かせていただいていたので、あのカンパニーの中に自分が入ることを想像することなんて一度もなかったです。そのくらいいつも公演を楽しみにしていた1ファンでしたので、まさか自分が参加できるなんてととにかくビックリしました。

――台本を読まれた感想としては、いかがだったでしょうか。

時代物なので最初に読んだ時はまず、この時代を知るところから始めようと思ったというのもありますが、それ以上にこの場面では古田さんはどんなことをされるんだろうと想像したり、劇団員のみなさんはここではどんなお芝居されるんだろうということを予想して楽しみながら読み進めていきました。その中に自分が演じるみさきが出てきた時は、少し緊張してしまいましたね。みさきは、ある意味この物語を動かす存在でもあるので責任を感じますし、この作品の中ではちょっと異質な明るさみたいなものを求められているのかもしれない、ということも感じました。

――ちょっと不思議な存在でもありますよね。

そうですね。不思議な力を持っていますし、それと、なんでも言っちゃうから少し子供っぽいところもあって、そこがチャーミングだなと思ったり。そういうみさきの姿が、作品のエッセンスのひとつになれたら嬉しいです。

――共演者の方の中で、特に気になる方はいらっしゃいますか。

みなさんと初めましてなんですが、山本千尋さんは殺陣をされている姿を何度か拝見しているものの、まだナマで見たことがなくて。それこそ台本を読みながら「このシーンでのいぶき、絶対カッコイイ!」って思ったりしていたので、それを舞台上で見られるのが嬉しいし楽しみです。お芝居でも一緒の場面があって、みさきにとって一番近い距離でいてくれる存在のような気もするので、その関係性を作り上げていく過程もとても楽しみに思っています。

――二人揃って新感線初参加ですから、心強い仲間にもなりそうですね。

はい。私すごく“緊張しい”のほうなので、ぜひ山本さんと仲良くさせていただけたら嬉しいなって勝手に思ってます(笑)。ホント、新感線さんのお稽古ってどんな感じで進んでいくんだろうとか、考えているとドキドキが止まらなくて。ただ、さっき撮影していた時にスタッフの方に「緊張してる?」と聞かれて「してます!」と答えたら、「見た目はみんなコワモテだけど、怖い人はいないから大丈夫だよ」と教えていただいたので、少しホッとしたところです(笑)。

――時代劇だという点ではどうですか。大河ドラマにも出演中で、最近時代劇づいている印象もありますけれど。

でも、着物を着て出る舞台という意味では、これが2回目なので。

――『桜文』(2022年)に続き、ですね。

そうです。あの作品は明治時代のお話だったんですけれども、あれをきっかけに時代物が好きになりました。使う言葉や言い回しが現代と違うという面での難しさもありますが、時代背景を調べていくうちに、今じゃ考えられないことや、当時だからこそ許されたことを知ることができて、現代とは違う感覚が味わえて楽しかったんです。今回の江戸、元禄時代も初めての挑戦になるので、面白そうだなとワクワクします。たとえば自分が演じるみさきは巫女なので、当時の巫女はどういう存在だったのかなど、もっともっと知りたいと思っています。そうやってさまざまなことを知ってから稽古に臨んだほうが自分としても安心なので、今回ももっと調べてから挑みたいと思っています。

――公演に向けて、ご自分としての課題や目標は。

体力づくり、です。みさきは殺陣の場面がすごくあるわけでもないんですが、公演数自体も多いですし、やはり自分が客席で受けていたあのエネルギーを、今回は届ける側になるんだと思うと絶対的な体力がなければ成り立たないと覚悟しています。走り込みなど、体力づくりを今ひたすらやっている最中です。

――では、お客様に向けてお誘いのメッセージをいただけますか。

自分もずっと観てきた劇団☆新感線さんの舞台の一員として参加させていただくからには、緊張もしていますけれども、ぜひみなさんに思い切り楽しんでいただきたいと思っています。私が演じさせていただくみさきという役柄も、その時代を照らすような、観てくださるお客様にもちょっと明るい存在として映ったら嬉しいです。

profile

(くぼ・しおり) 2016年、「乃木坂46」3期生オーディションに合格しデビュー。最新の32ndシングル「人は夢を二度見る」ではWセンターに抜擢。ファッション誌「Seventeen」専属モデル、「乃木坂46のオールナイトニッポン」のメインパーソナリティー、2023年WBC壮行試合で始球式を務めたほか、2023年度NHK大河ドラマ『どうする家康』に五徳役で出演。初めて現役の乃木坂46メンバーとして大河ドラマに単独出演するなど、グループ内外で活躍し注目を集めている。個人での主な出演作に、【舞台】『桜文』(22)、『夜は短し歩けよ乙女』(21)【映画】『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』『リバー、流れないでよ』(23)、『左様なら今晩は』(22)【ドラマ】『どうする家康』(NHK・23)、『サマータイムマシン・ハズ・ゴーン「乙女、凛と。」』(CX・21)など。劇団☆新感線には本作が初参加となる。