阿部サダヲ コメント
僕が初めて新感線に出させてもらったのは『レッツゴー!忍法帖』(2003年)だったんですが、今回のヴィジュアルを撮影していた時にも「最初の頃からやっていることはまるで何も変わってないな」って改めて思って。これって素晴らしいことですよ、こんな時だからこそ徹底したオモシロ系の作品をやろうというんですから。僕もいまだに「『レッツゴー〜』が面白かった」とか「今も落ち込んだ時に観るようにしてる」とか、言ってもらいますからね。そういう意見を聞くたびに、オモシロ作品は本当に観ていて元気になるし、何も考えずにいられることってとても幸せなことだよなぁって思います。
木野さんと、浜中さん、西野さんとは初共演です。木野さんのイメージは〝先生〟とか〝エラい人〟。木野さんに芝居を教わったという人たちを、大勢知っていますからね。その方が新感線の舞台でどう〝月影先生〟を演じられるのか、生で間近で見られることが楽しみです。若いお二人には平均年齢をなんとか下げて頂いて、たっぷり動いて頂いて。古田さんとも『ラストフラワーズ』(2014年)以来なのでまたご一緒できるのが本当に嬉しいです。
それに今回は、Yellow新感線という初めての企画ですもんね。そこに参加できるというのはとても光栄です。日常のことや何もかも忘れて、劇場でお客さんたちが笑っている姿が見られるのは僕らにとっても幸せなことなので。だけど、かずきさんの台本で僕が関わったのは時代物、歴史物が多かったのでこういう作品も書かれるんだ!と驚きましたし、笑いましたし、すごいな!と思いました。稽古場でこれに、いのうえさんの演出が加わるわけですから。もう、いのうえさんの演出には何の疑問もなく言う通りにしていれば間違いなく面白くなるのが分かっているので、今回ももちろん信頼してすべて委ねるつもりです。
舞台に立つ上での信条
やっぱり僕は笑いが好きなので、舞台を観に来たお客さんにはたくさん笑ってほしいし楽しんでほしい。いつも、そのことを一番に思っています。だけどいまだにお客さんの反応、ノリって日によって全然違うことが、不思議で分からなくて。そこがまた面白いんですけどね。
Profile Abe Sadawo 1992年の舞台『冬の皮』より大人計画に参加。舞台、ドラマ、映画と幅広いフィールドで、コミカルな作品からシリアスな作品まで幅広く活躍している。07年には映画『舞妓Haaaan!!!』で初主演を飾り、第31回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。また、パンクコントバンド“グループ魂”のボーカル・破壊としても活動している。近年の主な出演作に【舞台】『フリムンシスターズ』『もうがまんできない』(20)、『キレイ-神様と待ち合わせした女-』(14・19)、『ニンゲン御破算』(18)、『髑髏城の七人』Season鳥(17)【映画】『MOTHER マザー』(20)、『決算!忠臣蔵』(19)、『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ‼』(18)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)【ドラマ】『恋する母たち』(20・TBS)、『スイッチ』(20・EX)、『Living』(20・NHK)、『いだてん~東京オリムピック噺~』(19・NHK)、『anone』(18・NTV)など。