古田新太 コメント
このタイトルだからもしかしたら、あのマンガのパロディなのかと勘違いする方がいるかもしれませんが、今回の舞台には演劇の天才少女も、その強力なライバルも、更には〝亀〟も、出てきませんから(笑)。とにかく様々な作品のパロディが満載なんだけど、これが50代、60代の人間が考えたパロディだから元ネタが古いんだよなあ。とはいえ古いだけのものにならないように、あとは稽古場で徹底して下らなさを追求していきますよ。新感線ではオモシロが『五右衛門vs轟天』(2015年)以来になるわけですが、やっぱりオモシロ劇団はオモシロをやんなきゃね。
木野さんとご一緒するのも久しぶり。きっと前回同様本番中も木野さんの〝杖〟となって、手を引いたりしながらコケないように守ってあげないといけないんだろうなあと思っています。ま、初参加の文ちゃん(浜中文一)、七ちゃん(西野七瀬)がいるから、見栄えという意味では既にバッチリ。七ちゃんは未知数だけど、文ちゃんにはせっかくだから下ネタもやってもらいたい。ものすごく上手だからさ。そしてオイラはひたすらサダヲとふざけるだけ、となればいいな(笑)。
今回の自分の役回りとしては、劇団員に紛れ込んで月影花之丞のことを調べている男なんだけど。まず、この物語に無理があるのがオイラもサダヲもこの劇団では新人だということ。しかもオイラは劇団員だけどサダヲに至っては劇団員でもなく出入り業者で無理矢理舞台に立たされているだけだというんだから。それなのに何故か他の劇団員たちはみんな、新人のオイラにいちいちいろんなことを相談に来るという。おかしいよね。
ともかく、意外に歌も多そうだから思い切り手拍子でもしに来て下さい。今は新年会とかも出来ない世の中ですからね、ここは軽く宴会気分で観に来て頂けたら幸いです。
舞台に立つ上での信条
自分にとって舞台に立つことは〝趣味〟だから。釣り、みたいなものです。ドライブとかパチンコとかと一緒。ギャラももらえたりもらえなかったり。もらえりゃラッキー。釣りだって大漁の日もあれば坊主で何も釣れない日もある。今回に限らず常に良く釣れることを願ってはいるけど……こればかりはやっぱり蓋を開けてみなけりゃわからないからね。
Profile Furuta Arata 劇団☆新感線の看板役者。大阪芸術大学在学中の1984年から劇団☆新感線に参加。エネルギッシュで迫力ある演技に定評がある。劇団公演以外の舞台にも積極的に参加している他、自身で企画・出演を務める演劇ユニット“ねずみの三銃士”などがある。活躍の場は広く、バラエティ番組やCM出演、コラムニストとして雑誌連載も持つ。劇団公演以外の主な出演作に、【舞台】『獣道一直線』(20)、『マニアック』(19)、『贋作 桜の森の満開の下』(18)【映画】『脳天パラダイス』(20)、『パディントン2(声の出演)』(18)【ドラマ】『半沢直樹』(20・TBS)、『俺のスカート、どこ行った?』(19・NTV)、『Iターン』(19・TX)、『全身刑事』(19・EX)など。現在、『関ジャム~完全燃SHOW~』(EX)にレギュラー出演中。21年に映画『空白』『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』が公開予定、4月よりTVドラマ『小吉の女房2』(NHK BS時代劇)の出演を控えている。