いまだ人々の日常に脅威を与え続けているこのコロナ禍の中で、劇団☆新感線として公演を行うことはできるのか? できるとしたらどういうカタチなのか?
目の前に迫った公演は幸いにも延期して上演を決めることができ、また新しい形での試みの二人芝居・三人芝居に挑戦することも出来ました。春から、模索し自問自答を繰り返す中で出した答えは、「新感線の公演をヤル!」ということでした。
楽しくてスカッと元気になるのが新感線!!モヤモヤするこの世の中でも「密にならない、短い上演時間で、新感線らしい、お客様が楽しく元気になるモノ」を皆様へ贈りたい!!
コロナ禍においての、そのカタチを実現するために、“Yellow 新感線”としてまずは始動します!
舞台を上演するにあたり、劇場の予約は2年以上前から始まります。新感線も興行計画は2年先まではなんとなく決まっています。2021年春も劇団☆新感線の本公演として東京建物Brillia HALLをおさえていました。2020年の秋に引き続き、100名程のカンパニーで池袋で大暴れするはずでした。が、まだ密が過ぎる。舞台上も、楽屋内も、この状況のままで、いつもの大規模な新感線をヤルことはできないと判断しました。
しかし、一体いつまでこのまま、“デキない”を繰り返さないといけないのか?いまだ確実な予防策と特効薬はなく、人々の心には不安があります。様々なイベントが配信で観られるようになりました。場所や時間を問わずとも画面で観られるのは新しいスタイルではありますが、やはり生の人間を目の当たりにするのとは違います。LIVE(演劇)はその空間でしか感じられない、限られた人数の観客がその場に居合わせることで共有できる、より深いものになっていくのではないかと確信します。
それを求める人々もいろいろな要素をふるいにかけながら、厳選して観劇に至ることになるのであろうと思います。新感線を求めてくれる方がいる限り、私達が新感線をヤル!意味はあります。そして、いつかこれまで通りの大規模な公演を皆様へお届けできる日に向けて、この先もしっかりと前を見据えて頑張りたいと思います。
今回も、楽しいメンバーが参加してくださいます。急遽演目を変更しての上演ですが、みなさん快く続投を決めてくださいました。
阿部サダヲさん、浜中文一さん、西野七瀬さん、木野花さん。そして劇団員の古田新太を始めとして、河野まさと、村木よし子、山本カナコ、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁。そして、新感線クオリティを支えてくださるスタッフの皆様。 この“Yellow 新感線”のために、新しいカタチの新感線作品を、急遽、座付作家・中島かずきが書き下ろすことになりました。新感線らしく笑いあふれる作品にしたいという要望を具現化するため、かつて木野花さんが新感線で演じた爆発的なテンションの月影花之丞の再登場となりました。あて書きのスペシャリスト中島かずきの手によれば、強烈キャラが満載の笑いあふれる作品になること間違いなし!!
久しぶりの新感線の肌触りをしっかり感じていただけるように、カンパニー一同一岩となって作り上げますので、皆様方の応援をいただきますようにお願いいたします。
プロデューサー 柴原智子