合戦の場面をどういう風に作られるのかが、今ものすごく楽しみで仕方がなくて。(倉持)
ハハハハ、がんばりますよ!(いのうえ)
――倉持さんは特に今回、楽しみにしていることというと?
倉持
いや、また今回も相変わらずはしゃいでいろいろと書いちゃったので、稽古場に行っても劇場に行っても絶対、みなさんから嫌味を言われるんだろうなって覚悟しています。でも本当に楽しみですよ、たとえ怒られても(笑)。どうしても僕が観たいと思う、古田さんと成志さんの姿を書いたので。
池田
確かに、筆が走ってましたもんね。水増しされてない感がすごかったですよ。
池田
無理やりしゃべらされているような説明ゼリフとかが、まったくないんです。
いのうえ
筆がいい感じですべっているから。
倉持
特にお二人の会話の場面だと延々、続けられちゃうんです。あ、これをやるとまた古田さんに怒られるってわかっていても、自分でも楽しくなっちゃって。
――そういえば、池田さんと倉持さんの初対面の話も面白いですよね。
池田
え、何、俺との初対面? 全然、覚えてない。
倉持
成志さんは結構酔っていらして。いきなり「僕はね、君の芝居で面白いものをまだ一度も観たことがないんだよ」って言われたんです。
一同
(笑)
池田
失礼しましたあ!(笑)
いのうえ
一回目がそれなの?
倉持
でも、そのあと池谷(のぶえ)さんと村岡(希美)さんの二人芝居をやらせていただいたら。
古田
酒とつまみ『もうひとり』(2013年)だね。あれは爆笑したなあ。
倉持
あの時は、古田さんからも成志さんからも褒めていただけて。そんなこともあり、今回は初めて成志さんとご一緒するので、ここでぜひリベンジを果たしたいなと(笑)。
一同
(笑)
池田
なおさら力が入りますねえ(笑)。ただ台本で読むのと、舞台でやるのとでは違うからさ。特に今回は、ここどうやるんだ?っていうところも多いし。
いのうえ
そこは俺が、がんばらなきゃってことですね。それしかない。
古田
読み物としては面白いんだが、ってなると。
いのうえ
それはそれでプレッシャーなんだよね。どっちもありますから。本は面白いけど、どうするんだ?!ってなるし。
池田
面白くない台本が来ちゃうと。
いのうえ
これ……どうすりゃいいんだ……?ってことになる。
古田
ハハハ。
小さい人形を大量に並べて「ワー!」って出しましょう!(古田)
そこに、下からライトでも当てておけばいいよ!(笑)(池田)
いのうえ
もちろん、台本がここまで面白いんだから、これをどう見せようか?ってことですよ。
古田
よくある、それ。面白い本なのに、面白くなくなってたら演じる側のせいになっちゃうから。
池田
あれはイヤだね。たまにあるけど。
いのうえ
本で読んだら、あんなに面白かったのにーって?
――役者側も、そういう時はプレッシャーに感じることもある。
古田
あるある。つまらん本は、なんとかして面白くしようと努力するけど、面白い本の時には「これがちゃんと伝わらなかったとしたら俺らのせいやないか!」と。
いのうえ
逆のプレッシャーが出てくるね。
倉持
でもホント、無責任かもしれないんですけど、合戦の場面をどういう風に作られるのかが、今ものすごく楽しみで仕方がなくて。
いのうえ
ハハハハ、がんばりますよ!
倉持
もちろんそこは、いのうえさんを信じていますけど(笑)。ものすごい人数を、どこまで想像させられるか、ですよね。
古田
よし、じゃあそこは、小さい人形を大量に並べて「ワー!」って出しましょう!
池田
そこに、下からライトでも当てておけばいいよ!(笑)
一同
(笑)
TEXT:田中里津子 撮影:岩田えり