主演は、これが実に10年ぶりの劇団☆新感線への参加となる生田斗真。RUPプロデュース『スサノオ』(2002年)、劇団☆新感線NEXUS『Cat in the Red Boots』(2006年)に続く3回目となります。そして、生田が今回演じるのはなんと平安時代から生き永らえているヴァンパイア! 愛する女性=かぐや姫に想いが届かず、彼女の死後も1000年の時を越えてその生まれ変わりを探し続け、現代ではビジュアル系バンドのボーカリストとしてカリスマ的な人気を誇っている……というこの設定は、シリアスもコミカルも自在に演じ分ける生田にとっても新境地の役柄と言えます。生田のために宮藤があて書きし、いのうえがイキイキと膨らませるこのキャラクターに、彼ならではのふりきった演技で息吹を与えてくれることでしょう。
“SHINKANSEN☆RX”と銘打たれているということは、つまり新感線の本公演のジャンルのうち“いのうえ歌舞伎”でも“ネタもの”でもなく、今回は“音モノ”。劇中音楽がたっぷりと用意され、生バンドの演奏でステージを盛り上げます。その中で“ビジュアル系バンドのボーカル”として歌を披露する生田斗真の姿にも、ぜひご注目を。その生田に吸血鬼を演じさせてみたいと思ったのは、まさに10年前の『Cat in the Red Boots』の本番が終わった頃だったと、いのうえは言います。「斗真はパキッと綺麗な顔をしているから、吸血鬼役が似合いそうだとふと思ったんです。それに吸血鬼はニンニクとか日光とか弱点が意外と多いからついマヌケな感じにもなってしまう、あのズレた感じも彼なら表現できそうだし。今回は、おそらくこれまで見たことのない斗真が見られる舞台になると思います」と、いのうえ自身も10年ぶりとなるこの顔合わせに大いに刺激されている様子です。